お掃除ロボット、便利ですよね。でも、導入を考えたときに「本当にちゃんと障害物を避けてくれるの？」「床に置いた電源ケーブルやペットのフンに突っ込んだりしない？」と不安になる方も多いと思います。僕も賃貸の部屋で使うことを考えると、家具や壁にガンガンぶつかって傷がつかないか心配でした。
最近のお掃除ロボットは障害物回避の性能が劇的に上がっていて、その仕組みや精度もモデルによって様々です。どの機種を選べばいいのか、おすすめの比較ポイントも気になりますよね。
この記事では、お掃除ロボットがどうやって障害物を避けているのか、その賢い仕組みから、購入前に知っておきたい性能の違いや限界まで、僕なりに調べた情報を分かりやすく解説していきます。
記事のポイント
- お掃除ロボットに障害物回避機能が必要な理由
- 障害物を認識するセンサーやAIの仕組み
- 主要メーカーの回避性能の比較と特徴
- 購入前に知っておきたい回避機能の限界と注意点
お掃除ロボットの「障害物回避」って本当に必要？
そもそも、お掃除ロボットに障害物回避機能はどれくらい重要なのでしょうか。まずは、もしこの機能がなかったらどうなるのか、特に僕のような賃貸住まいでなぜ重要なのかを見ていきましょう。
ぶつかる？止まる？回避機能がないリスク
もし障害物回避機能がなかったり、性能が低かったりすると、いろいろなトラブルが起こりやすくなります。
まず考えられるのは、家具や壁への衝突です。何度もガンガンぶつかると、大切な家具や賃貸の壁に傷がついてしまうかもしれません。僕もこれは絶対に避けたいです…。
それに、ロボット掃除機自体も安全ではありません。衝突を繰り返せば、当然センサーや本体がダメージを受けて、故障の原因に直結します。
特に厄介なのが、床に置かれた電源コードやスマートフォンの充電ケーブルです。これらを巻き込んでしまうと、掃除が途中で止まってしまうだけでなく、最悪の場合、引っ張られて床に置いていた家電が落下する危険もあります。
他にも、ペットの排泄物や小さなおもちゃに突っ込んでしまい、かえって掃除の手間が増える…なんてことも考えられますね。
賃貸住まいにこそ回避機能が重要なワケ
僕たち賃貸住まいの視点から見ても、この障害物回避機能は、特に賃貸住宅でこそ重要だと感じています。
理由はシンプルで、「原状回復」のリスクを減らせるからです。
壁や床、備え付けの設備に傷をつけてしまうと、退去時に修繕費用を請求される可能性があります。高性能な回避機能があれば、こうしたリスクを最小限に抑えられます。
また、賃貸の部屋は限られたスペースに家具を配置していることも多いですよね。複雑なレイアウトや狭い場所でも、賢く障害物を避けてくれるモデルなら、効率よく部屋全体をキレイにしてくれます。
スマートホーム化を進めると、床に電源タップやケーブルが増えがちですが、賢いお掃除ロボットがいれば安心です。賃貸でのスマートホーム化については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
どうやって避けてる？障害物回避の主な仕組み
では、お掃除ロボットはどうやって賢く障害物を避けているのでしょうか。最新モデルの「目」や「頭脳」にあたる部分の仕組みを、少し掘り下げてみます。
基本はセンサーの組み合わせ（ハイブリッド認識）
最新のお掃除ロボットは、一つの技術だけで障害物を見ているわけではありません。複数の異なるセンサーを組み合わせて、お互いの弱点を補い合っているんです。これを「ハイブリッド認識」と呼ぶそうです。
例えば、こんなセンサーが使われています。
- 赤外線センサー: 主に壁や大きな家具との距離を測って、近づくと減速します。
- 超音波センサー: 音波の反射でモノを検知します。ガラスなど赤外線が効きにくい素材にも有効だとか。
- バンパーセンサー: 最終手段の物理的なセンサーです。何かに軽く接触すると「あ、何かある」と認識して方向転換します。
これら昔ながらのセンサーに加えて、最近の高性能モデルには「LiDAR」や「カメラ」が搭載されています。
LiDAR（ライダー）：部屋を正確にマッピング
最近の高性能モデルでよく聞くのが、このLiDAR（ライダー）です。Light Detection and Ranging（光による検知と測距）の略だそう。
これは、レーザー光を360°全方位に飛ばして、部屋の形や家具の配置をめちゃくちゃ正確に把握する技術です。本体の上部がポコッと盛り上がっているモデルに搭載されていることが多いですね。
- 高精度な地図（マップ）を作成できる。
- 複雑な間取りや広い部屋でも自分の位置がわかる。
- 暗い場所でも性能が落ちない。
このLiDARのおかげで、お掃除ロボットは「今、家のどこにいて、どこを掃除すればいいか」を正確に把握し、効率的に動けるようになりました。
カメラとAI：小さな障害物を見分ける「目」
LiDARが部屋全体の地図を作るのが得意なのに対して、床に落ちている小さな障害物を見分けるのが得意なのが「カメラ」です。
最新モデルでは、このカメラが捉えた映像をAI（人工知能）がリアルタイムで解析しています。これが本当に賢いんです。
例えば、こんなものを認識できます。
- 電源コードやケーブル類
- スリッパや靴下
- ペットの排泄物
- 小さなおもちゃ
2眼カメラ（デュアルカメラ）を搭載したモデルなら、人間のように立体的に物体を認識して、距離感も正確に測れるそうです。AIが「これはスリッパだな」「これは電源コードだな」と判断して、巻き込む前に賢く避けてくれるわけです。
性能はどれくらい違う？メーカー別の特徴
障害物回避の仕組みが分かったところで、気になるのは「じゃあ、どこのメーカーがすごいの？」という点ですよね。情報をもとに、主要メーカーの特徴をまとめてみました。
比較のポイント
性能を比較するときは、「認識できる物体の種類」や「回避精度」が重要な指標になります。2025年の最新モデルを対象とした比較データ（※）を見てみましょう。
| ブランド・モデル名 | 認識可能な物体数 | 回避精度（5段階評価） |
|---|---|---|
| Roomba j7+ | 約70種類 | 4.7 |
| Roborock Saros 10 | 120種類以上 | 5.0 |
| ECOVACS DEEBOT X8 PRO OMNI | 100種類以上 | 4.64 |
| Dreame X30 Ultra | 100種類以上 | 4.8 |
| Anker Eufy X10 Pro Omni | 100種類以上 | 4.5 |
※上記のデータは、提供された2025年時点のレポート情報に基づいています。回避精度や価格帯はあくまで目安であり、実際の性能は使用環境によって異なる場合があります。最新の正確な情報は、各メーカーの公式サイトをご確認ください。
こうして見ると、特にRoborock（ロボロック）の認識物体数や回避精度が突出しているのが分かりますね。Dreame（ドリーミー）も精度が高く、コストパフォーマンスに優れている印象です。
主要メーカーの傾向
各メーカーとも、独自のAI技術で回避性能を高めています。
Roborock (ロボロック)
Roborock Saros 10は「家電コード・服・ペットのフン、全てを完璧に回避」したと評価されています。AIによる画像認識技術「ReactiveAI」が非常に優秀で、ミリ単位での障害物回避を目指しているとのこと。僕も昔、Roborockを使用したことがありますが、当時のモデルでもAIの回避性能の高さに驚きました。最新機種はさらに進化しているようですね。
iRobot (ルンバ)
お掃除ロボットのパイオニアであるルンバは、「PrecisionVisionナビ」というAI搭載カメラで障害物を認識します。特に「j7+」などのモデルは、ペットの排泄物を回避する性能が高いと評価されています。毛足の長いカーペットがある家庭では、モップを自動で持ち上げる（リフトアップする）機能も強みです。
ECOVACS (エコバックス)
ECOVACSもAI技術に力を入れており、「AIVI」と呼ばれる独自のAIビジョン機能で障害物を認識します。電源コードやスリッパなど、7種類の障害物を初期から認識できる機能を搭載していました。吸引力と水拭きを両立したモデルが多いのも特徴です。
中国メーカーの躍進
Roborock、ECOVACS、Dreame、Ankerといった中国発のメーカーが、技術革新のスピードが非常に速く、AIと高性能センサーをいち早く導入して市場をリードしているようです。
購入前に知りたい「回避機能」の限界と注意点
ここまで高性能化している障害物回避機能ですが、残念ながら「完璧」ではありません。購入してから「こんなはずじゃなかった！」と後悔しないために、知っておくべき限界や注意点も押さえておきましょう。
苦手なモノもある？「黒いラグ問題」とは
高性能なロボット掃除機にも、苦手な環境があります。その代表例が「黒いカーペット」や「黒いラグ」です。
これは、多くのモデルが本体の底面に「落下防止センサー」を搭載しているためです。このセンサーは、赤外線などを使って床面を認識し、「ここから先は段差（階段）だ」と判断して落下を防ぎます。
しかし、光を吸収しやすい真っ黒なカーペットを、センサーが「段差（何もない空間）」と誤認識してしまうことがあるんです。
この問題は、センサーが「段差」と「黒色」を見分けられないために起こります。もしご自宅に濃い色のラグがある場合は、購入を検討しているモデルが対応しているか、口コミやレビューを事前にしっかり確認することをおすすめします。
100%ではない！過信は禁物
最新のAIカメラは100種類以上の物体を識別できるとされていますが、それでも100%の認識を保証するものではありません。
例えば、こんなケースは注意が必要です。
- 非常に小さな（薄い）おもちゃ
- 透明なビニール袋や薄い布
- 光の反射が強い場所（西日など）
- センサー自体の汚れ
「高性能モデルを買ったから床にモノを散らかしっぱなしでも大丈夫！」と過信するのは禁物です。特に、壊れやすいものや高価なもの、絶対に巻き込まれたくない大切なものは、掃除の前に片付けておくのが一番確実です。
LiDARやカメラ、各種センサーも、ホコリや汚れが付着すると精度が低下します。家具への衝突が増えたり、掃除残しが発生したりする原因になるため、定期的にセンサー部分を優しく拭き掃除するなど、メンテナンスも大切です。
まとめ：賢いお掃除ロボットで快適な賃貸ライフを
今回は、お掃除ロボットの「障害物回避」機能について、その仕組みやメーカーごとの特徴、注意点を詳しく見てきました。
最新のお掃除ロボットは、LiDARやAIカメラ、複数のセンサーを組み合わせることで、数年前とは比べ物にならないほど賢くなっています。床のケーブルやスリッパを認識し、賢く避けてくれる性能は、僕のような賃貸住まいの住人にとって、家具や壁を守るためにも非常に心強い機能です。
とはいえ、黒いラグが苦手だったり、100%の認識はできなかったりと、まだ限界もあります。
購入する際は、「自分が一番避けたい障害物（ペットのフン、電源コードなど）は何か」を明確にし、その物体の認識に強いモデルを選ぶことが重要です。ご自身の生活環境に合った、最適な一台を見つけてくださいね。
